有田川町(ありだがわちょう)で室町時代から伝わるとされる地域の民族芸能「久野原(くのはら)の御田(おんだ)」を再興し保存に努めたとして「久野原の御田保存会」前会長・二澤久雄(にさわ・ひさお)さん77歳が、今年度(2011年度)の地域伝統文化功労者表彰を受賞し、きょう(3月1日)午後、和歌山県庁南別館で表彰状の伝達式が行われました。
西下教育長(右)から伝達を受ける二澤さん(左)(3月1日・和歌山県庁南別館)
久野原の御田は、旧・清水町(しみずちょう)、現在の有田川町久野原の久野原岩倉(くのはら・いわくら)神社で奇数年の2月11日に行われている民族芸能で、幼児5人が夫婦や早乙女(さおとめ)に扮して、太鼓と20人あまりの男女による謡囃子(うたいばやし)に乗せて、籾蒔き(もみまき)や田植え、稲刈りにいたるまで、一連の稲作の動作を踊りで演じます。室町時代中期から始まったとされ、戦時中に一時途切れていましたが、昭和30年代から復活し、1981年(昭和56年)には和歌山県無形民俗文化財に指定されています。
二澤久雄さん(3月1日・県庁南別館)
二澤さんは、1971年(昭和46年)に久野原の御田保存会の結成当時から活動に参加し、2000年(平成12年)からは会長として、保存会の運営や後進の育成などに力を注ぎました。きょう(1日)午後1時、県庁南別館で、県・教育委員会の西下博通(にしした・ひろみち)教育長から二澤さんに賞状と記念品が伝達されました。二澤さんは「久野原では当たり前の稲作の光景を、小さな子ども達に御田を通じて知ってもらう事で、大切な主食の米や、豊かな自然のありがたみを受け継いで貰えます」と意義を語っていました。
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