東海沖から四国沖の海底にある溝状の地形「南海トラフ」で最大級の地震が起きた場合、関東から九州にかけての太平洋側の一部で津波の高さが20メートル以上になる可能性があるという推計を、内閣府の有識者会議が公表しました。
今回の推計は、前回の2003年の推計より想定する震源域を全体で2倍に拡大するとともに、東日本大震災後の最新の科学的知識やデータを反映させたもので、想定した地震の規模はマグニチュード9クラスとなっています。推計によりますと、関東から四国、九州の太平洋側の6つの都県にある23の市町村で、満潮時の津波の高さが20メートル以上になる可能性があるということです。最大は高知県黒潮町の34.4メートルと推計されています。東京都は、区部での津波が最大で2.3メートルという推計ですが、伊豆諸島の新島村(にいじまむら)で29.7メートルに達する見込みです。また、揺れが震度7以上の地域は、和歌山県をはじめとする10県の153市町村に及ぶとしていて、国や自治体は、この推計をもとに被害想定を見直して、今後の防災計画に役立てる方針です。今回の有識者会議の推計を受けて、 和歌山県の仁坂吉伸知事は 「国の検討結果を基に より詳細な被害想定、浸水予測に 取り組んでいきたい。 また、大規模災害に備えた インフラ整備を推進することが必要で、 早急に紀伊半島一周高速道路の整備するよう、 これまで以上に強く国に働き掛けていきたい」と コメントしています。
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