きのう(18日)の午後、太地町(たいじちょう)の漁港で、体長およそ1メートルのオットセイ1匹が泳いでいるのが見つかりました。太地町立くじらの博物館では「紀南の海で見られるのは極めて珍しい。沿岸づたいに漂着したのでは」と話しています。オットセイが見つかったのはきのう(18日)午後2時過ぎのことで、地元の人がくじらの博物館に知らせました。桐畑哲雄(きりはた・てつお)副館長が見に行ったところ、オットセイは漁港を元気に泳ぎ回っていて、きのう(18日)の日暮れごろまで姿を確認出来ましたが、きょう(19日)は見られないということです。桐畑副館長によりますと、オットセイは普段はベーリング海やオホーツク海といった北方の海沿いに生息し、陸上では群れをなしています。冬になると、越冬のため1匹から数匹単位で親潮(千島(ちしま)海流)に乗って南下する習性がありますが、日本国内では千葉の房総半島沖が南限とされていて、紀伊半島沿岸まで下ってくる事は滅多にない珍しい事だということです。桐畑副館長は「過去に大阪湾や三重県の鳥羽(とば)付近で観測された事はあったようだが、紀南の沿岸ではおそらく初めてではないか。沿岸を伝ってくるうちに漂着した可能性もある」と話していました。
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