去年（２０１０年）９月、海南市で、元妻の交際相手の男性を文化包丁で刺して殺害したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われている男の裁判員裁判で、和歌山地方裁判所は、きょう（１６日）、被告の男に、懲役１８年の実刑判決を言い渡しました。判決によりますと、海南市の無職・尾又敏雄（おまた・としお）被告５３歳は、去年（２０１０年）９月８日午後３時半ごろ、元妻の交際相手だった当時５１歳の男性の家に押しかけ、いきなり男性の胸や顔などを、隠し持っていた刃渡りおよそ１６センチの文化包丁で、数回刺して死亡させた、殺人と銃刀法違反の罪に問われていました。判決の中で、和歌山地方裁判所の柴山智（しばやま・さとし）裁判長は、「自宅に帰って文化包丁を持ち出し、隠し持っていきなり刺すなど殺意は明らか。被害者には、何の落ち度もなく酌量の余地はない」と述べ、尾又被告に求刑２０年に対し、懲役１８年の実刑判決を言い渡しました。尾又被告は、公判で、殺意はなかったと起訴内容を一部否認していました。判決が言い渡された後、控訴の説明をする裁判長に対し、尾又被告は、「それ（控訴）はありません」と話し、閉廷後には、傍聴席を振り返り頭を下げていました。
↧